おはかのおはなし

2018.8.14オンエア📻

実家が遠くて墓参りに行けない、墓守りの後継者がいない、お墓を閉じることを考え始めた…
姶良市内でも、悩んでいる方が増えている「お墓のお話し」。

あいらびゅ-FMでは、お盆の時期に改めて「お墓」について考えようと、2時間の特別番組「おはかのおはなし」を放送しました。

「改葬手続き」、「墓守り代行」、「墓じまい作業」、「終活」、「お墓以外の選択肢」についてお話しを伺いました。

1.「墓じまい」には、手続きが必要です。
「墓じまい」とは、ご遺骨を移動して現在のお墓を撤去すること。
これを、「改葬」といいます。
そのためには、市役所に「改葬許可」を申請する必要があります。

姶良市役所本庁より、生活環境係の花田さんと山元さんをお招きして、手続きの流れをお聞きしました。
それぞれの案件によって必要な書類が変わることがあるので、「まずは、窓口に問い合わせてください」とのことでした。

改葬許可申請の件数は、姶良市全体で年間150~170件。
二日に一件の申請がある計算。かなり多いですね。
近年は、わずかながら減少に転じてきているそうです。お墓を建てずに、最初から納骨堂に納める人が増えているのかもしれない、とのことでした。

【必要書類】
改葬許可申請書兼許可証、埋葬等確認書

【手数料】
無料

【郵送申請】
改葬許可は郵送で申請可能です。

【改葬許可申請の窓口】
本庁:市民生活部 生活環境課 生活環境係
加治木総合支所:市民生活部 市民課 加治木市民生活係
蒲生総合支所:市民生活部 市民課 蒲生市民生活係

詳しいことは、姶良市役所ホームページ「遺骨を移すときの手続き」へ
ここで、申請書類をダウンロードすることもできます。

※注意してください!※
無断で遺骨を移動すると、法律違反により懲役刑を課せられることがあります。
必ず市役所に許可申請をしてください。

2.墓守り代行サービスもあります。
「墓じまいはまだ先だけれど、墓参りが難しくなってきた」という方には、
お墓参りとお墓の掃除を代行してくれる、「墓守り代行サービス」があります。

姶良市社会福祉協議会より総務課の早渕さんをお招きして、「墓守り代行サービス」についてお話しをお聞きしました。

現在、代行サービスを依頼している方は72人。
そのうち4分の3に当たる55人が県外在住の方。
ここ数年は、契約者の数は一定しているそう。
その中で、年間2~3件は墓じまいについての問い合わせもあるとのことでした。

代行サービスは、毎週木曜日、二人の専任スタッフが行います。
内容は、墓石磨き、供花、草取り、写真撮影。
そして、年一回写真を添えての報告。

サービスが始まったのは、「墓守り代行」という言葉が生まれる前の平成10年。
代行サービスの先がけ的存在で、全国各地から視察団が多数訪れるそうです。

8月10日、代行サービスを取材させていただきました。
盆前のこの時期は一年で最も忙しく、3班9人体制で60か所を回るそうです。
一か所あたり10~15分、スタッフの方々はとても丁寧に作業をされていました。
インタビューしたところ、「家族のお墓のつもりで心を込めて掃除します。お墓がきれいになると清々しい気持ちになります」と、お話しくださいました。

【サービス内容について】
1. 墓石磨き
布巾で丁寧に墓石の汚れをふき取ります。
2. 除草
草取り、除草剤散布をします。
3. 供花
お花をお供えします。
4. 報告
年一回写真を送って現状等をお知らせします。

【料金について】
・頻度によって変わります。(毎週一回、隔週一回、月一回~)
・供花の種類によって変わります。(しば、ひば、生花など)

姶良市社会福祉協議会
本所:0995-65-7757
加治木支所:0995-62-2041
蒲生支所:0995-52-1400

姶良市内では、他に「公益社団法人姶良市シルバー人材センター」でも墓守代行サービスを行っています。

公益社団法人姶良市シルバー人材センター
電話:0995-65-7011

3.墓じまい(墓石撤去)の実際
遺骨を移動した後、元あったお墓は撤去をして更地にしなければいけません。
その作業を誰に依頼するか?それは、石材店です。

墓石撤去はどのような作業なのか、撤去された墓石はどうなるのか?
村田石材工業の代表 村田 哲哉さんにお聞きしました。

「墓石撤去の依頼は増えています。逆に、お墓を建てる仕事は減ってきています。」
石材店の仕事も、時代とともに変わってきているとのご感想。

作業内容としては、まず、墓石をお墓から降ろすことから始まります。
そして、約50センチ角の大きさに割ってから運び出します。
最終的には、産業廃棄物として産廃業者にて処理されるとのこと。

大変なのは、古くからあるような小さな墓地。
通路が狭いので、クレーン車や重機を使うことができないそう。
長い板を使って静かに墓石を倒し、ドリル、くさびなどを使って細かくしていきます。
この際、気を遣うのは周囲のお墓。
作業中に他のお墓を気づ付けないように気を配るそうです。

「周りのお墓を傷つけないように作業するのが大変です。建てるときは、心を込めて石を磨いて、傷つけないように丁寧に扱ったものですが、撤去するときは、それほど気を使う作業ではないので少し複雑な心境です。」と、村田さん。

墓じまい以外には「寄せ墓」といって、複数に点在している親族のお墓を一つにまとめるお仕事もあるそうです。

「お墓参りをする人が少なくなり、お墓を建てる人も少なくなっている」少し寂しそうにお話しされた村田さん。

時代とともにお墓も、お墓に関わるお仕事も変わっていくのですね…

4.終活について
墓じまいは、終活の中の一つの悩み。では、終活全体としてはどうなのか?

毎月一回「終活セミナー」を開催している天国葬祭の葬祭一級ディレクター 山下 哲哉さんに電話インタビューでお聞きしました。

Q.「終活セミナー」では、どのようなお話しを?
A.葬儀費用について、エンディングノートの書き方などをお伝えしています。

Q.「墓じまい」の相談はありますか?
A.増えています。

Q.お墓以外の選択肢は?
A.多いのは納骨堂。他には海洋散骨、宇宙葬もあります。

天国葬祭では、海洋散骨と宇宙葬の申込窓口業務も行っているそうです。
宇宙葬。
存在は知っていましたが、どこか遠い国のお話しのように感じていました。
姶良市からも申込ができると知ってびっくりしました…

天国葬祭
姶良みそらホール
電話:0995-65-0444

5.お墓以外の選択肢について
近年、お墓に代わる新しい埋葬、納骨の仕方が生まれています。
お墓以外の選択肢について、公益財団法人新生田上霊園姶良霊場より、牛垣さん、永山さんをお迎えしてお話を伺いました。

【納骨壇】
現在、お墓以外に最も選ばれているのが、納骨壇。

納骨壇は、納骨堂と呼ばれる建物内に設けられています。外観はお仏壇に近く、その下にご遺骨を収納できるようになっています。
こちらは、個人・家族単位での納骨壇で
お墓と同じようにお供え、お参りをすることができます。

冷暖房完備で一年を通じて快適にお参りできるので納骨壇を選ぶ人が増えているのでは、とのことでした。

【合祀墓】
こちらは、個人、家ごとのお墓ではなく、集合のお墓。
石碑に納骨される方のお名前が刻まれます。

【樹木葬】
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木をシンボルとするもの。こちらも近年利用者が増えています。姶良霊場でも、今秋、桜をシンボルツリーとする樹木葬を開始するそうです。
その他、永代供養壇などのお話しもしていただきました。

公益財団法人新生田上霊園姶良霊場
電話:0995-65-2092

6.お墓の意味
墓じまいをしたいけれど、先祖代々のお墓を自分の代で閉じるのは心苦しい…
そんな葛藤がある方は多いです。

納骨の形が変わったとき、「供養の形や想いはどうあるべき」なのだろう…
お墓の元々の意味、先祖供養の意味などを、浄土真宗本願寺派 西本願寺鹿児島別院の僧侶、千羽(チバ)さんに伺いました。

千羽さんは、「あくまで浄土真宗の考え方」と前置きされた上でお話しくださいました。
ポイントをまとめてみました。

【お墓の始まり】
元々、人類は古来から人が亡くなると遺体に草をかけて弔っていた。そこから、草冠の「葬る」という字が生まれたそう。故人を大切に思う風習は古代にさかのぼります。

仏教の開祖ブッダが亡くなったのち、弟子たちが仏舎利を作って遺骨を保管したのがお墓のはじまりとのこと。体の一部を保管することで故人を大切に思う、ことがお墓の意味でしょう。

【墓じまいについて】
「先祖代々のお墓を守ることが難しいので墓じまいをしたい」という相談は西本願寺でも増えている。そのときは、ほかの方々と一緒に納骨をする合葬という形をとることがあります。

【お墓参りのこころの持ち方】
お墓参りは、故人のあの世での幸せや成仏を祈るものではない。
「親がいなければ、今、自分はここにいない。亡くなった先祖の誰か一人いなかったら自分は存在しない。亡き方がいたおかげで自分の命がある。」
そのことを感謝するのがお墓参りの意味です。

【お墓の意味】
普段、先祖への感謝を思う機会はなかなかありません。
自然と先祖への感謝の想いが湧き上がってくる、そうした心持ちになるために、お寺やお墓があるのです。

【お盆の意味】
浄土真宗ではお盆のことを「歓喜会(かんぎえ)」といいます。
先祖に感謝することができる喜びの機会というのが本来のお盆の意味だそうです。
先祖の無数の命があったおかげで、今の自分の命があることを思うことが大切です。

【まとめ】
お墓を通して、子孫が先祖への感謝をする。それが本来のお墓の意味。
お墓参りが苦痛になるようであれば、それは本意ではありません。
お骨、お墓にしばられて悩みすぎる必要はありません。

お墓やお骨がなくなったとしても、先祖への感謝の想いを持ち続けることが何より大切なことなのです。

亡くなった人のおかげで、自分の命に限りがあることがわかります。だから、一生懸命生きていこうと思う、そう思うことが大切です。

7.最後に
お墓について考えることで、「生きること」について深く考える、ことになりました。
先祖という過去に思いをはせて、現代の私たちが「未来に向かって生きる」。
「未来に向かってより良く生きていきたい」そんなメッセージが胸に芽生えてきました。
リスナーの皆様にとっても、お墓にまつわる悩み事の解決への一つのきっかけになれば、と思います。

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